学校の「学び」と学習指導要領

The Mount Family in the Garden at argenteuil 学び

学びにはどのような種類があるでしょうか。みなさんはどのような場面で「学び」もしくは「学習」という言葉を聞きますか?

思いつくままに挙げてみるなら、学校での学び、家庭での学び、人生での学び、とにかくいろいろな場面で「学び」という言葉が使われます。

これからすべての「学び」についてその違いと本質を解き明かしていきたいと思っていますが、まずは一番わかりやすい学校の学びについて話をしたいと思います。

わかりやすいというのは学校の勉強が簡単、という意味ではありません。学校の学びは、学校ではこのような児童像をめざして教育をしてください、こういう事を学ばせてくださいということを事細かに明記した文書が用意されているからです。この「目指す児童像」がかかれた文書を学習指導要領といいます。

学習指導要領とは

学習指導要領は文科省が出している文書でだいたい10年に一度、改定されます。小、中、高で改定される年度が違いますが、一番近いところでは2020年に小学校の指導要領が改定されました。2020年の改定ではプログラミング教育の実施など大きな変更がありました。

学習指導要領に目指す児童像はもちろん、各教科、各単元で何を学ぶことを目的としているのかなど細かく記載されています。これにそって学校現場では教育が行われる…と思いますか?

日本全国の教室で学習指導要領にそって、教育が行われるのが文科省の描いている姿なのですが、実際はどうなのでしょうか。

実際には、教室で教鞭をふるっている教員の中に、学習指導要領を読んだことがない、ほとんど読まないという先生はたくさんいます。もちろん、校長が指示して教員にそれを読むように指導する学校もあるでしょうし、個人として学習指導要領を読む先生もいると思いますが、読まなくても授業はできます。それは、なぜでしょうか。

学習指導要領と教科書

現場の先生が学習指導要領を読んでいないのに授業ができるのでしょうか。

実はできるのです。それは学習指導要領を読まなくてもそれにそって作られた教科書があるからです。

教科書は教科書会社が作成します。教科書は学習指導要領を元に作られます。実は学習指導要領を一番読んでいるのは教科書を作る業者です。

教科書会社が学習指導要領を読みそれにそった教科書を作ります。文科省がきちんと学習指導要領の狙い通りに作られているかを確認します。この確認作業を教科書検定と呼びます。この検定で文科省が「この教科書は学習指導要領に沿っていない」判断した場合、その教科書は検定落ちとなり、正式な教科書にはなりません。正式な教科書にならなければ公立の学校で使われることはありません。

各自治体の教育委員会は、自分の自治体でどの教科書を使うか選ぶのですがその選定の場に並ぶのは検定に通った教科書のみです。自治体に選ばれた教科書は、その自治体の全学校で使われることになり、その教科書に沿って授業が行われるわけです。

ちなみに検定に落ちた教科書はどうなるのでしょう。検定に落ちた場合でももちろん通常の本と同様、本屋で販売することができます。また、私立の学校の場合は学校の判断でその本を教科書として使うことができます。

閑話休題。文科省が学習指導要領を作り、それを元に教科書が作られ、それを使って授業が行われる。これによって日本全国の子供たちに同じ「学び」がもたらされるのでしょうか。学校での実際の学びについては次回、ふれていきたいと思います。

次は> 授業の終着点はどこ?